一般不妊治療、人工授精、ART、妊娠成績など、1年間の不妊治療実績を報告します。

不妊治療の検査機器

当院の治療実績

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井上善レディースクリニックの2018年1月1日から12月31日までの治療実績をご報告致します。
1妊娠患者数
妊娠患者数表
※一般不妊治療の妊娠症例数は2017年が87名でしたのでほぼ変化はありません。排卵誘発を行わない自然周期での妊娠例が48例で、ほぼ半数は排卵誘発を行う事なく早期に妊娠が成立しています。
2人工授精について
人工授精治療周期数は824周期でした。妊娠患者数は56名で妊娠率は6.8%でした。昨年と比較して妊娠された患者さんの数は9名程増加していますが、全体の妊娠率はやや低下していました。人工授精施行数は昨年が469周期でしたので約1.76倍となっており、かなり増加しています。タイミング療法と異なり人工授精ではほとんどが排卵誘発を併用して妊娠されていました。クロミッド周期が20例、ゴナドトロピン周期が21例、低用量漸増法が4例などです。
3高度生殖医療について
(1)採卵周期301周期 平均年齢 38.2歳
(2)胚移植周期:269周期 平均年齢 37.7歳
(3)妊娠成績
高度生殖医療
※採卵周期は2017年が189例でしたので約1.6倍に、胚移植周期数は209周期から269周期と約1.3倍に増加しています。採卵周期数の増加と比較して胚移植周期数の増加が小さい理由としては、治療キャンセル周期が増加している事が挙げられます。卵巣予備能が低く採卵できなかった周期が13周期、受精異常や分割不良で移植が出来なかった症例が44周期ありました。患者さんの状況が当初からかなり厳しい症例が増加しているためと思われ、このような症例をどうやって妊娠に導くかが今後の大きな課題です。

新鮮胚移植の妊娠率は8.3%から38.9%へ非常に改善しています。2017年は、胚質不良のため凍結できない症例に行うことが多かった新鮮胚移植ですが、2018年は他院で凍結融解胚移植を行っても妊娠されず、新鮮胚移植を希望された方やそれ以外でも患者さんの希望に沿って行う症例が増加したことも成績が改善した原因であると考えています。凍結胚移植の妊娠率も昨年の24.5%から40.2%と向上しています。開院してある程度時間が経過し、培養環境が安定したことや移植して妊娠されない方に、子宮鏡で慢性子宮内膜炎の有無を確認したこと、着床時期のズレを評価るERA試験を導入したこと等が効果を発揮したものと思います。患者さんの平均年齢は2017年と2018年で大きな変化はありません。
(4)年齢別妊娠成績
年齢別移植周期数
全胚移植周期を対象とした年齢別移植周期は次の図に示すとおりで、2017年とほぼ同様に35歳から44歳までの年齢層で治療周期が多いことがはっきりしています。2018年は36~37歳の症例の伸びが顕著でした。20代はわずか10症例のみです。
年齢別移植周期数グラフ
年齢別妊娠率・流産率
全胚移植周期を対象とした妊娠率・流産率を示します。妊娠率は20代では70%、30代前半では45.3%程度と良好です。20台の妊娠例では流産は1例も発生しておりません。30代後半でも妊娠率、流産率は30台前半と比較して遜色のないものでした。40代でも2017年は妊娠率が7.2%と顕著に低下していましたが、2018年は33.7%と比較的良好でした。40代の成績向上が全体の妊娠率増加に最も強く影響を与えたものと思われます。しかし40代では流産率は著明に増加し、40.6%となっています。やはり加齢による胚質の劣化・染色体異常の発生が大きな要因であると思われます。
年齢別妊娠率・流産率グラフ

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